ウランではいけません

しばしばゼネコンを取り上げては、「崩壊」だとか「断末魔」だとかで煽ってくれる経済雑誌週刊ダイアモンド。今週は原発特集なり。例によって「カネ」「人脈」「利権」と、これでもかというばかりに電力業界、電力行政の暗黒部を曝している。
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震災以来2カ月を越え、復旧、復興の兆しが芽生えて来ているのを尻目に、日に日に泥沼化している福島第一原発。禁句だったはずの「メルトダウン」すら、「そうでございます。」と開き直られている。社長の給料7200万円を半分にして乗り切ろうとしたとか、ホームレスや多重債務者を名を秘したまま突撃させ、本社社員は決して近寄らないとか、企業年金は大事な社員の老後の資金であって賠償に使う気はないとか、国策で作った原発なのだから賠償も国で責任を持つべきだとか・・・。

まさにスケープゴート。震災被害へのすべての悲しみ、嘆き、怒りが東京電力に1点集中しておる。いくら本社社員だって、現場の最前線は命を賭けて放射能と闘っているはずと確信はしているが、針の筵の中で誰を恨んでいいか解らぬ心境であろう。

それも十分承知したうえで再度書いてみると、理不尽な仕打ちで断罪され、一寸試しに五分刻み、家族郎党須らく路頭に迷い、逆さに吊られた首なし死体から最後の血の一滴まで絞られるのがあなた方の使命です。残りの6電力会社に、明日は我が身の恐怖で原発から手を引かせる尊い生贄なのです。原子力に携わった身、ウランではいけません。
by cegero116 | 2011-05-19 12:51 | 本の虫 | Comments(0)