愁雨

ぎらぎら暑かった8月も終わり。まだまだ残暑は厳しいと聞くも、本日は雨。秋雨を愁雨と書くと急に淋しくなるのは語感のトリック?しとしととみゆきさんのような雨が降る一日であった。

昨年一緒に仕事をした某大手設備工事会社の方が定年を迎えて、8月一杯で退職された。齢60歳。見かけも実体も元気そのもの。経験と知識こそが生きるこの業界の技術者、傍目で見ても勿体ないことこの上ない。が、これが企業の新陳代謝というものか。ちょっと前は55歳が定年の定番だったよな。平均寿命の延びに合わせて社員を雇い続けては企業は成り立たないのだな。

本人まだまだ働く気充満、とは言えど、この歳に自動的に退職することも何年も前から解っていたこと。で、大型ワゴン車を購入、愛犬とともに北海道へ。道の駅温泉で入浴、行く先々の酒場に遊び、車で寝むと言う、あてどのない旅に出るとか。「いや、楽しみにしてたんですよ。」とは、おそらく本音。ほっとくと死の床でも施工図を描き、電話で職人の手配をしかねぬ仕事人、ひょっとしたら定年制度は日本の企業が産み出した姥捨て山・・・ではなく、人生を豊かに締めくくる支援制度なのかも。

羨ましくない、と言うと嘘になるな。
by cegero116 | 2006-09-02 01:30 | 世情 | Comments(0)