黒い春

「嫌われ松子の一生」で大ブレイクした著者の、怖~い小説。アウトブレイク、っていうのか、創作なんだろうけど、妙なリアリティを持って迫るのは、O157や鳥インフルエンザの恐怖が生々しく、決して他人事ではないからだろう。

黒い春_e0001663_21594264.jpg細菌感染の純科学的なストーリーが、遣隋使などの歴史ロマンと絡んでくるくだりは意表を突く。ちょっと意表を突きすぎて、リアリティが薄れマニアックな香り漂う。主題は、傍目にも微笑ましい夫婦愛と、あまりにも理不尽なラスト。松子さんの時と同様、悲劇のドラマ展開に全く容赦ない山田さん。

一度読み始めると止まらない。分厚いけど、結末見るまで本は置けない・・・これもエンタメ?他に類を見ない作風、ではある。
by cegero116 | 2007-06-21 22:13 | 本の虫 | Comments(0)