フェルメール展
実を言うと、先回「牛乳を注ぐ女」を観たために今回の展覧会は期待度やや下がってた。7作も来るのはすごいことだけど、初期のフェルメールらしくない二作と風景画「小路」、贋作ではないかと疑われた「ヴァージナルの~」を入れての7作、目玉が無いなぁなどとね。画集見すぎのノーガキファンまるだしだ。
やっぱり来て良かった。ホンモノは違うわ、正味のところ。都美術館の展示の仕方も巧妙にして狡猾。三階を使っての展示なのだが、一階はフェルメール以外のデルフト風俗画。うー、全然出てこんな、つまらん絵ばっかりだなぁ、といらいら我慢しながらの20数点。二階へ上がるや、全部フェルメール。やっぱ、全然違うんよー。画集で見てなんも感じなかった初期の二点も光り輝いて見えるのは、一階で我慢したおかげ。
迷ったけど今日のベストはこれ、「ワイングラスを持つ娘」。酔いが回りかけてる表情の女性と、なんとも言えない目付きと手付きの男、全く多弁ではないのに全てが物語られている。赤いスカートの襞のえも言えぬ深み。他の室内に無い窓のステンドグラスのシャープな赤とも呼応している。何もない白い壁が恐ろしいほどの存在感を醸すのも牛乳女に同じ。後ろで居眠りしてるぼやけたフォルムの男性はどういう位置付けだったか忘れたが、絵のバランス上で座らされてるのかな?
ネットでパクった画像、色、フォルムともまるで別物。とにかく、ホンモノ観なきゃわからないのだぞー。
by cegero116
| 2008-09-21 18:55
| Art
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