茅場町Cビル

地下鉄東西線から日比谷線への乗り換え。丁度ヒルメシ時につき美味いものが多い茅場町駅に途中下車。なんだか土曜朝の番組でこんなのやってたな。

階段を上がった正面に建つガラスカーテンウォールの特に変哲のない7階建てのオフィスビル。こここそが私が社会人としてのスタートを切った記念の場所なのだ…記念碑は建っていないが。
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長かった学生生活を終え、4月1日に単身上京した23歳のワタクシを、このビルと9人の先輩が迎えてくれた。所長がやっと35歳の若き建築家軍団、…なんかすごくかっこよく聞こえるな。ビルの設計・監理担当は弱冠20歳になったばかりの頃のY先輩。とにかく若かった。雨が降り始めると、職員数名が雨漏りの持ち場へ洗面器と雑巾を持って素早く走る最上階のオーナーC商会殿。「いつ降ってもいいようにみんな訓練されとるんですわ。」と豪快に笑うクライアントに、「建築とはそんなものか」と教わったワタクシ…そんなものではなかったぞ。

C商会様がビルを売却された後、何度かオーナーは変わったらしくその都度看板が掛け変わりつも、茅場町の風景として溶け込んでいる。当時の所長すでに鬼籍に入られ、Y先輩も老大家となっておられる。…建築物は人の歴史を超えて風景に責任を持つ存在だなぁ、と柄にも無く感慨。
by cegero116 | 2009-03-05 19:58 | たてもの | Comments(0)