それでいいのか蕎麦打ち男

残間里江子氏の「引退モードの再生学」、雑誌連載されてた頃のタイトルが「それでいいのか蕎麦打ち男」だったらしい。駅の本屋で文庫物色していて、たまたま帯で元のタイトルを見て購入。「~モードの~学」だけだったら買わなかっただろうな。なぜ変えたのかな?単行本になる時「~学」の列に加わりたかったのだな。

それでいいのか蕎麦打ち男_e0001663_1857676.jpg企画プロデューサー残間女史、団塊女を自負しておられるが、これを書いたのが四年前・・・今の私と同じくらいのお年の頃だな。そう言えば蕎麦打ち男やら世界遺産めぐり男増えてるなと思ってた。何を枯れとるんじゃい!の叱咤激励が本書の主旨なのだが、タイトルと切り口が抜群に鋭いわりに内容は踏込み不足。激励してるのか同情してるのかただ観察してるのか・・・企画・立案のプロは咀嚼・分析には甘いところがあるのだな。

「もう一度、燃えるような恋がしたい、だと?」には笑わされた。居る居る。「団塊男の闇」も、直近のある出来事と重ね合わせて、よくできた予言書。アンテナ高感度なのだな。



挿話だけど面白かった一節。子供に「何が好きなの」と問うて返った答えに対する親の反応。
「ぼくサッカーが好き♪」
「私はダンスが好き♪」に対し、日本の親は
「そうか、じゃ練習頑張って選手を目指そうね」となるところ、米国の親は、
「君がサッカーを好きなことはわかった。で、サッカーで誰を喜ばせたいのか?誰に感動を与えたいのか?サッカーで合衆国にどう貢献できるのか?」と来るそうな。
ケネディ演説に感動する米国民の体質がよくわかる。

このあたりの話題抽出はみな面白いのだが、本論とどう関連しているのかが、ちょっと見えにくい。企画プロデュースのコツがちら見えたのは収穫であった。
by cegero116 | 2009-03-27 09:23 | 本の虫 | Comments(0)