当確への布石

見知らぬ作家の文庫本。一昨年の参院選前にハードカバーで刊行、今回総選挙も間近というので文庫化したのか・・・ちょっとあざとくないかい?

当確への布石_e0001663_20152914.jpg一応ミステリー仕立てなのでネタバレは避けるが、上下二巻にするほどの小説ではない、起こってる事件は陳腐なくせに大上段。草の根候補が誉め殺し選挙妨害に公安のヤメ刑事雇うか?候補者、秘書、刑事それぞれが消せない過去の闇を背負ってる、と思わせぶりなのだが、脱力としか言いようのない痴漢事件と、娘を絞殺されたという凄惨な過去と同列で並べるな!しかも、闇を出しただけで何のフォローもなし、放置。登場人物とて、誰一人として実在感もなければ共感も呼ばない。

思いつくままにネタをばらまき、収集つかなくなってぶつ切りの話を2、3個寄せ集めた印象・・・ま、プロットの悪口言うのは簡単だが、他のを読んでみようと思えないのは、やはり大上段にねじくれた文体のせい、かな。辻仁成が中学生の頃書くとこうなるか?・・・全然違うか。

ちょっと失敗でした。
by cegero116 | 2009-05-26 20:15 | 本の虫 | Comments(0)