セカンド・ラブ

セカンド・ラブ_e0001663_23264129.jpg中森さんの歌にそんな題名があったなぁ、あやふやだがメロディも覚えてるな、の気合いの入らぬタイトル…だが、乾くるみさんの新作単行本。発売の広告を見た日に買ってしまった。帯に「イニシエーション・ラブの衝撃、ふたたび」と。そんな帯を見るまでもなく、あの大傑作…大怪作の乾くるみと言うだけで飛び付いた。衝撃は今もなお残ってる。

と言いつつ、乾氏の他の作品をいくつも漁った身としては、多分それほどのもんではない、期待し過ぎるべからずと黄色ランプ点滅。どれもイニシエーションの水準には遥かに及ばぬがっかり品ばかりだったもんな。

あんまりなものを著してしまった作者の悲劇とも言える。で、然して本作品や如何に?




・・・あきまへんなぁ。甘酸っぱい恋が進むうち、細かい嘘やからくりが垣間見え、何事も起きていなさそうな中で謎が解明されてゆく・・・春香が二重人格と魔性の肉体を使い分けて主人公を翻弄する(繭ちゃんと一緒。)・・・テイストは「イニシエーション」なのだが、あきまへん!

ネタバレさせてしまうと、「双子なりすましトリック」のみで一篇作るのは古いし無理。半分くらいで完全にネタ割れしてるが、絶対もうひとひねりあるはずだと期待して裏切られる。ラストで、紀藤先輩と春香が会話で謎解き語るのも、安もんのTVドラマ調。

もっと頑張りましょう」スタンプ進呈。
by cegero116 | 2010-10-06 23:26 | 本の虫 | Comments(0)