コンプレイアンス

コンプレイアンス_e0001663_1983741.jpg新聞でもテレビでも建設現場でも、実に頻繁に出てくる用語「コンプライアンス」。耐震偽装や食品偽装のころからなのか、もっとずっと以前からなのか…解説で「法令遵守」のことだとは知っていても、英語に疎いワタクシとしては、なんか不平不満やクレーム付けてるような変な違和感を感じていた。comply(応ずる、承諾する、追従する)と、complain(不平を言う、訴える)がごっちゃになっとるんだな。コンプレイアンスなんて単語はないようだ。・・・でコンプライアンスへのコンプレイン。

もとより、法令遵守・堅実無比をモットーとする我が事務所、取り立ててコンプライアンスなどと叫ばなくとも破ろうとしたことも無い。また、破って利益があるほどの地位にも無い。で、ちょっと調べてみると、上のようなピラミッド型か、または同心円の図階がいっぱい出てくる。まず、法令遵守が最低レベルの守るべきレベル1、社内規定やマニュアルに沿うのがレベル2、倫理や社会規範に即するのがレベル3で、ミッションに適う行動が最後のレベル4と…同心円だと、中央の核が法令遵守となっておる。ほんまにそうかぁ?

社内マニュアルが違法なことを定めていたり、ミッションが反社会的だったりする時、この図に戻って行動を行なうべきであり、これに反した場合企業は社会的制裁を受ける…それはそうだ。が、倫理や社会規範ですら法令遵守を基本として、これから逸脱してはならないとな。法令作成者、即ち為政者に対する「追従」を行動規範にせよと読めてならぬ。

世界では、偉大なる将軍の写真に跪かない者が収容所送りとか、不倫した者は斬首の刑とか、ユダヤ人絶滅法とかアパルトヘイト法とか・・・ごくまっとうな倫理観でおかしいと感じる法令で民衆を縛ってた例は今も昔もいくらでもある。身を挺して草の根で抵抗をしてきた者たちを、コンプライアンス違反と切り捨ててよいのかな?時の権力者にとっては邪魔なものであったとしても。

ことは企業の行動規範に限ったことなのであって、そんなに拡大しては話すなよおおげさな・・・と叱られるような気もするが、建築基準法、都市計画法にあってもシャリーアや武家諸法度みたいな規定はあまたあり、経済活動はずいぶん阻害されておる。とは言え、私ゃ斬首も収容所を嫌なのでとってもコンプライアンスしてますがね。
by cegero116 | 2012-01-12 19:08 | 世情 | Comments(0)