李登輝総統に敬礼!

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週刊文春連載ピカ一の阿川佐和子対談。政財界大物からみぃはぁタレントまで、幅広く軽やかに本音を引き出し「聞く力」なんて本も出しておられる佐和子さん。今週のゲスト李登輝元台湾総統とも「お久しぶりです」で即刻打ち解けておられる。力もそうだがすごいキャリアだ。

と、佐和子さん誉めるために書き始めたのではなく、この対談の李総統の談話の数々に感動を禁じ得なかったから。もう90歳にもなられようかという高齢。きっとこれまで何度も同じことを語っておられるとは思うのだが、現代日本政治の病状、中国本土との付き合いの節度、台湾政界への苦言等々、当たり前のことを一切無駄の無い美しい言葉で解りやすく語ってくれている。日本語も大変堪能な方とは聞くが、日本国内の専門政治家にはこういう話術を持ったのは見当たらない…比較するのが失礼だな。

中で、台湾の震災時に日本が差し伸べた援助に対する深い感謝の念と、今回の東北の震災への胸を打つ哀悼の言葉と励まし…これを受けての回答では、さすが手練れの佐和子さんも「・・・(言葉にならず)」と記されている。

長期にわたって台湾のトップを務め、毀誉褒貶の激しい方とも聞くが、これを読むと日本にはますます台湾ファンが増え、中国本土からずるずる引いてしまうのではないか…と、昨今の官製暴動が要らぬ余波を私にも及ばせつつあるので心配になってしまう。大丈夫とは思うのだが…。
by cegero116 | 2012-09-17 20:58 | 本の虫 | Comments(0)