笑うハーレキン

笑うハーレキン_e0001663_1341930.jpgなんか首も腰も痛いし、どこから貰ったのやらの風邪でゴホゴホ。それでも老体に鞭打ってあさ4時半起きで大阪へと向かう。ひとしきり居眠りしたあと、読みかけの小説「笑うハーレキン」を読了。

道尾修介さん、なんとなく初期のホラーイメージが先行して避けてた作家。ちょいちょい見かけるトークなんかでは好感の持てる方だなとは思っていた。裏表紙を見るに、これはそんなホラーではないな、読んでみるかなと。



子供を事故で亡くし、会社を倒産させ妻に逃げられホームレスとなりながら家具修理で生計を立てている主人公東口。いつも疫病神と名付けた自分の分身と会話している。・・・ハーレキンとはピエロの別名、仮面の人生を送ってる者のことらしい。

同じく仮面をかぶっているのではないか?の女、奈々恵が転がり込む。どこから見ても謎だらけ、メインのストーリーにどう絡んでくるのか?そもそもメインのストーリーとは何か?不思議な感触で淡々とドラマが進む。飼い犬とホームレス仲間の変死が相次ぎ、なにかサスペンスが始まりそうな予感も漂うのだが、犯罪や陰謀の紛れ込む伏線が見当たらん。

唐突になにかの巨悪のはかりごとに巻き込まれての脱出劇・・・何かの、が最後までわからん。そういうのはどうでもいいのだな。繰り返される息子との思い出と妻への思いが痛い・・・結局その疫病神の正体は?・・・も肩透かしだったがそれもどうでもいいのかも。

ずいぶん多作な作家のようで、これはその幕間劇なのかな。怖くないのならば、他も読んでみようかな。
by cegero116 | 2016-05-06 14:51 | 本の虫 | Comments(0)