リバースズ

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しばらくリュックに入ったままだった文庫本、積ん読…ではなく背負っ読?を手にとって読んで見る。いやまて、なぜリュックに入ってる?デスクで見かけたはず…2冊ある…読んでしまったのをまた買ったのだろうか?と、読み始めてみると初読。どうなってるのだろう私の記憶中枢?並べて見ると表紙が違うぞ…発行された年が違うのかな?連続ドラマの原作だそうな。

作者の湊かなえさん。「告白」が大ベストセラーということは知っていたが、我が子をいじめ殺された母親が教師となって復讐を…てなストーリーらしい、聞きたい話じゃないでしょう~…と、敬遠して本も大ヒットしたという映画も近寄らなかった。




ミステリー、なんだけど推理小説というわけではない。学生仲間での旅行中に飲酒運転で友人が事故死した事件を引きずってる主人公に、3年して脅迫文(告発文?)が届く。当時一緒にいた仲間たちにも同様の手紙が届き、ついには駅のホームで突き落とされる事件まで…と、それ以上のことは起こらない。犯人をつきとめるべく、友人の故郷、足跡を辿るうちに真相が徐々に明らかに…。

登場人物が少ないので、犯人は中盤で容易に想像できる。作者の主旨もそこにはない。なにしろ、幼少時からの主人公のコンプレックスばかりがこれでもかと綴られる…自分は取り柄のない奴、仲間に入れてもらえない奴、あいつが羨ましい、あいつが妬ましい…が、歯向かうこともせず、自分に閉じこもることさえもしない。

他の登場人物も悪いやつは一人もいない、が輝いてるやつも一人もいない…いや、死んだ男がとびきりいい奴だったことになってるか。一人息子を亡くした父母や、行きつけの喫茶店のマスター夫妻はいわゆるステレオタイプ。最後のどんでん返し(?)は伏線たっぷりの割に拍子抜け。

たぶん、おそらく、とてもめんどくさい女子なんだろうな、かなえさん。が読後感。「告白」、やめときます。

by cegero116 | 2017-09-12 20:52 | 本の虫 | Comments(0)