虹の歯ブラシ

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新幹線のお供の文庫本。探偵小説と言うか何と言うか…早坂吝(←やぶさか、と読むらしい)作「虹の歯ブラシ」。史上最もエロい援交探偵上木らいち、なる女子高生が主人公。シリーズ化してるみたい。何でもいいから肩の凝らない思いっきりお気楽なものを、と手に取る。

【ネタバレ注意!】
月曜から金曜まで、毎日違う客のために5色の歯ブラシが並ぶらいちの部屋。それぞれの色に基づいた連作、ミステリー仕立て。1本目、2本目と、味気ない官能シーンとつまらんトリック…をらいち探偵が捌いてゆく。ま、こんなもんだろうとは思ってたけど、と手が止まる。

3本目の「青」から様子が変わり、意外な被害者、つうか意外な犯人、つうか…トンデモ話に舵が切られる。所々に太ゴシックで強調されるフレーズがあり、終章でこれを反芻しながら全体構成の謎解き、どうじゃエラリー・クイーン!となるのだが、これがすこぶる理屈っぽい、てかマスターベーション。テクニックは稚いが、新しいことは新しいね。

【ネタバレしてるから引き返しオススメ!】
終章は、そこまで書いてきた自分の伏線を自分で辿って、主人公らいちの正体を推理してゆく。どれだけ上手くミスリードしたか、と自慢?上木らいちは、「男である?」「老婆である?」「未知の生物である?」…こう読めるであろう…否、ここでこう否定しているからその推理は誤りである…気持ちいいのね(^^;

チャレンジ精神は認めます。フランス書院など研究して、も少しエロ書きが上手くなるともっといいな。なんか、このテイスト見たことあるなぁ…と、森見さんとか万城目さん?んー、みな同窓ではないか。私も思い当たる節が…。
by cegero116 | 2017-09-30 15:46 | 本の虫 | Comments(0)