セカンド・ラブ

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乾くるみさんの新作…?そんな新作でもないか。文庫の装丁までかのイニシエーションラブにかぶらせ、次作以降ぱっとしなかった風を今一匹のドジョウを、てな一作。最後の二行でどんでん返し、も上手く決まってます。



さすがにこの方の作品はMoreネタバレ欄で書かんとあかんやろな。

冒頭の結婚式のシーンから、騙すぞー、のオーラバチバチ。真剣に注意深く読んだら、この冒頭で核心のトリックが解ったかもしれないな。春香以外の人物の名前が語られない、その後の章での展開から、花婿=正明にミスリードしようとしてるんだな、と。また、呟きのように出てくる美奈子の名前…これがその後によくある双子トリックだなとミスリードさせる伏線だな、と。

ま、しゃかしゃか読んじゃったので、結論から言うと乾さんの目論見通り騙されましたとも。ねじれた双子トリックは感心しなかったけど、春香に霊感がある、って嘘じゃなかったんだね、のトリックは新鮮で感心しましたよ。

最後に残った人間たちでトリックをくだくだ解説させる下りはちょっとがっかり。若干回収不足があっても、小説としてはあんな項はない方がいいかも。結末を自○でまとめてしまうのはいかがなものか?個人的にはイニシエーションの方が読後に爽やかさが残って好みでした。
by cegero116 | 2017-11-15 20:21 | 本の虫 | Comments(0)