妄想先生

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M師匠のお供、下北沢スズナリ劇場で観賞した中島淳彦作品「妄想先生」…感動の薄れないうちに書くべきなのに、観てからずいぶん日が経ってしまった。師匠イチオシだけあって、なんとも素晴らしい演劇体験をさせていただいたのに…。

女子高生から老婆まで、世代をまんべんなくまたいだ女優だけのお芝居。主役は結婚しないまま五十路を迎えた国語の教師。卒業式の式辞原稿を作りながら過去を遡り妄想に耽る。自らが女子高生だった頃の仲間たちとの思い出、今はもう亡き恩師とのエピソード…妄想と現実のやりきれない教育現場がクロスオーバー。

ボケてしまって学校内を徘徊する母親、暴力事件で免職となる同僚教師の切れっぷり。学校の体面を守るために生徒を傷付け教師をスポイルしてゆく教頭。非行(?)を働く生徒とこれを付け狙うレズビアンらしき体育教師…どのキャラクターも一癖二癖ある設定、これを見事に一つづつ回収してゆく。時折挟まれるミュージカルっぽいシーンは心の中で大拍手…役者が鍛えられてる!

ちょっと間が空いて思い出せないことも多いのだが、やっぱりお芝居は五目釣りではなく、先達の導きで見るべきなのかなぁ、と。素人が☆つけるのも失礼なのだが、☆☆☆☆☆の舞台でした。
by cegero116 | 2018-05-06 17:03 | 芝居見物 | Comments(0)