カメラを止めるな!

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今年もあと2日、事務所でごそごそ大掃除…したつもり。で、夕刻、なんか映画でも見ようかと…ボヘミアンラプソディの感動の影響か、音楽モノを…レディガガのやってるな…と、時間が合わず断念。もうなんでもいいや、とぴったり時間の合った「カメラを止めるな!」に入る。もう何ヵ月か前に封切られ、低予算で話題になったくらいしか予備知識なかった。しかもゾンビ映画だと…私のフィールドではないかも。



これが大間違い、監督も、一人の役者も知らない。舞台となってる工場廃墟も回りの建物も、低予算ゆえのものとは解っていてもとてもショボい。台詞は時々途切れ、間延びしまくり。唐突な絶叫と、ストーリーの破綻、カメラは意味もなくブレまくり。脚本も演出もあかんやん~…長回ししたかっただけのC級以下の映画同好会レベルとしか見えなかった…これらが全て監督の仕掛けた罠だった、と知るのは後半も残り30分になってから。

後半はいわばメイキング映像。前半ではアーティスト気取りのぶちギレキャラだった監督が、実は気の弱い「安い、速い、質はそこそこ」のよき家庭人。元女優の妻と映画監督志望の娘(何故女優を辞めたのか、娘がどんな環境で仕事しているか、がラストの伏線)と暮らしてる。そこにゾンビ映画をワンカットで、のオファー。リハーサルに集まったのは、アル中と下痢男と生意気なアイドルと鬱屈した助監督と腰痛持ちのカメラマン、と撮りたがりの助手…一癖も二癖も、と言うよりどうしようもない面々。

いきなりプロデューサーと準主演の女優が事故でリタイア、アル中俳優は差し入れの一升瓶を飲み干してしまい酩酊、下痢男は草むらで悶絶…次々起こるトラブルを皆の機転で乗りきってゆく…三谷さんの「ラジオの時間」を思い出したな。ボロボロの完成品を前段に持ってきてるのが秀逸。絢爛たるキャスティングの三谷作品に比べ、素人同然と思える役者たち…わざとなのかなぁ、あの演技。

前半で怪訝に思えたシーンの謎解き、回収は館内を大爆笑に包んでた。小劇団人の痛さと、業界人の胡散臭さを揶揄してるようにも見えるが、とりあえず全員野球の必死さ健気さも伝わって観賞後は爽やかな気分。

本年ラストの映画は当たりクジでした。が、これから見る人は絶対ネタバレ記事見ないで行くべし、です。

by cegero116 | 2018-12-30 18:32 | Cinema | Comments(0)