寝ずの番

シモネタ満載上方落語の世界、どんぴしゃ私のストライクゾーン、見逃すわけにはゆかぬ!と銀座シネスイッチにて鑑賞。おとなりの「戦場のアリア」も気になれど、まずは本能優先(^^)いつものようにこの先ネタバレ注意。

寝ずの番_e0001663_10525575.jpg予告編、予告記事でしょっぱなのキメシーンを繰り返し紹介しすぎ。結局かの臨終の枕元のやりとりが一番面白かったのに、オチを知って見たのが残念。冨司純子の艶やかさも、木村佳乃の一皮剥けた演技も、先に論評を聞いてなきゃもっと楽しめたような。・・・と思うのも、そこから先に目を見張るような面白いエピソードは無かったとの印象。期待しすぎが災いしてるだけで、映画は上出来、全編を通じて、監督のためにいい作品を作ろうとする、スタッフ・キャストのモチベーションは強く伝わってきた。すごくいい雰囲気で製作された現場だったんだと思う。

放送禁止用語連発、R15指定にしては下半身直撃シーンはなし。この種のエロはもはや文化に昇格してしまって、猥褻感は薄い。保存すべき文化財であって、R15となったのはひとつの営業戦略だろう。どこぞの無礼講宴会でパクれるネタが多くて嬉しくはあった。
個人的には、「地獄八景亡者の戯れ」-学生時代より米朝のレコードを擦り切れるほど聴いたぞ-が出てきて、それだけでも贔屓映画となる。鶴橋のモデルはやっぱり松鶴なんかなぁ・・・とすると験の悪い彼は仁鶴??

省三、雅弘の偉大な監督たちについての知識皆無。だが、65歳にして初監督の津川氏の人徳だろうか、キャスティングはほぼ完璧。惜しむらくは、マチャアキを尼の鉄工所の元社長に据えたため、訳の解らん関西弁が出てしまった。彼の持ち味は十分出ており、キャスティングは間違いではないと思うので、東京から京都の御茶屋に通い詰めて会社をつぶした社長にしてしまえばよかったのでは?演出は橋次兄さんの通夜で中だるみあり。エイのエピソードはよく聞く話。・・・だが、本筋に関係なく出てくる高岡早紀はカッコよかったなぁぁ。好き好きっ!

マキノ監督、次回は絶対もっと面白い。伊丹監督まで昇りつめんことを祈る。
by cegero116 | 2006-04-30 10:52 | Cinema | Comments(0)