ねじれっていいね

ちょっと旧聞。新テロ法案…インド洋での無償の給油を指してそう言うらしい…が、すったもんだで衆院2/3で可決された。つい先般までなら、誰も知ることもなく、自動延長に近い形で衆参通過していたはず。揉めたおかげで、補給する相手が、米の意向を受けてのこととは言え政敵をすぐ暗殺してしまうようなパキスタンの船だったとか、期限切れで中断しても誰も困らなかったって事実とか、色んなことが少し見えてよかった。

で、今はガソリン暫定上乗せ税率の撤廃騒ぎ。議論して貰っちゃ困るのにな、との官の嘆きもものかわ、連日その仕組みがTVを賑わす。油の年だな。これらが全て「ねじれ」の弊害だとすると、ねじれっていいじゃん、との感しきり。薬害肝炎被害者の一律救済だって、「ねじれ」の効用だとすると、このままが一番いいような気がしてくる。

株価暴落をとらえて、意思決定の遅れが日本売りを誘発しているとは、どう見てもこじつけ。二院制の意義はねじれてこそ発揮されると見直したね。なまじ次の総選挙で民主が勝ってねじれ解消などせん方がいいぞ。



ねじれっていいね_e0001663_152055100.jpgとは、「ヴィクトリア女王」を読んでの感想。ここからは「本の虫」。出来事や年表、系図などを淡々と述べる、教科書みたいな本だったが、史上最もドラマチックな時代のひとつ、19世紀のヨーロッパが舞台なだけに、退屈皆無…と言うより無茶苦茶面白かった。

今振り返ると、帝国主義の罪深きシンボル、インド併合、アヘン戦争、南アフリカなどの、統括推進者ヴィクトリア女王。ヒトラー・ムッソリーニなどが小物に思えるほどの、存在感と実績を誇っている。立憲君主制の帝国思想を断罪出来るほど、現代民主制はし熟してるとも思えぬ。ブッシュ・ブレアがヴィクトリアほどの歴史評価を受けるはずもなし。

この本で、ねじれた議会と絶え間ない政権交代が、成長する国家のバイタリティ要素のごとく描かれている。女王が、これを重視しつつも従属せず、世界に冠たる大英帝国を導いたとの解釈は、ややファンの身びいき隠し得ず。そんな女王が今の日本に居るわけもないが、ディズレーリもグラッドストンも見当たらない・・・が、抗争はヒーローを生む土壌、今年出てこないとも限らない・・・かな?

何書いてるのか判らなくなってきた。酔眼。
by cegero116 | 2008-01-18 23:19 | 世情 | Comments(0)