ラムネ温泉館

大分で目指したのが、藤森照信氏設計の長湯「ラムネ温泉館」。絶好の天気に恵まれ、写真も珍しくよい出来栄え。遊び心満載の、師の傑作に出会えてやれ嬉し。
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外壁は、焼杉の板が可愛いストライプ。焼杉・・・焼き過ぎだぞ。まんべんなく火の通った火災現場の趣き。屋根は重ねトタン、頂部には盆栽風の松がお茶目にたなびく。中庭を埋め尽くすオカメザサってのも珍しい、とはI田センセの解説。なんかぽかぽかした気分にされる建築で、性能じゃ申請じゃコストじゃと、あくせくしてる我が身を空しくさせてくれたね。

ラムネ温泉館_e0001663_1733040.jpg黒川ほど人気を博しているわけではなく、すいた浴場に堂々とカメラを持ち込み撮影。雑誌で見て当社O君が使いたいと以前より提案も、臆病な私が使用を逡巡していた壁・天井の左官材の現況を確認。

荒々しいが目立ったひび割れも無く、シミが目立つ程度。十分実戦に活用可と判断できたのは成果であった。

ラムネ温泉館_e0001663_1733136.jpg白眉は露天風呂。竣工時はパラソルが立っていたようだが、現在はビニールハウスの水耕栽培風。蓮根にでもなったつもりで入浴。

実はここに来たのは、建築目当てではなくお湯目当て。天然炭酸泉として、日本随一。他に全く例を見ず、世界にもその名の高い高濃度炭酸を味わうためであった。
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この露天風呂は湯温32℃。足を入れてすぐは「水じゃないか!」なのが、全身を沈め3分もするとえも言えぬ温かさが身体に浸み亘ってくる。写真は私のおみあし・・・3秒もじっとしてるとこの泡付き。さすが10,000~20,000ppmの威力。32℃の泡に優しく包まれ、何時間入っても火照りもせず、湯冷めもしない。

昨今の温浴業界での一番人気は「人工炭酸泉」。聖地長湯を訪れ、本家天然炭酸泉を体感したワタクシ、「炭酸マスター」を名乗って明日からみんなに自慢する予定。
by cegero116 | 2008-03-09 17:33 | 旅の手帖 | Comments(0)