真夜中の5分前

真夜中の5分前_e0001663_2137317.jpg本多孝好さんなる若い作家、初読。薄い文庫2冊セット・・・2冊合わせても東野の「白夜行」の半分くらい。なんで一冊にせんかったんだろう?

「SideA、SideB」とは、あの「イニシエーションラブ」と同じ体裁ではないか!しかも「必ずSideAから読んでください。」のコピー・・・これは期待できると、熊本のお供に購入。・・・体裁倒れであった。がっくり。



世では村上春樹に似ている、との評もあったが、どこがやねん。「僕が僕が」という一人称語りなのと、時々プールへ行くくらいしか似てないではないか!

筋も、A、Bどっちから読んでも別に問題なさそう・・・ま、Bにトリックの要があるのは事実だが、見分けのつかない双子が、事故を機に入れ替わった・・・か替らないか、本人もわからんようになりましたとさ、は、ミステリーではないから、ヴァン・ダインの法則適用外ってこと?違反しとるわりに全然意表を突かない。

著者が自分を託したような主人公、「5分遅れて生きてる僕は、仕事ができてクールだけど、ペシミストでかっこいいんだよ。」のメッセージしか伝わらなかったな。

結局、2冊目に謎があるようにふっておけばよく売れるし、頁単価が上がるってことか。・・・「イニシエーション~」のおかげで、恋愛ミステリーのハードル高くなってるぞ。
by cegero116 | 2008-03-12 21:59 | 本の虫 | Comments(0)