狂人三歩手前

狂人三歩手前_e0001663_128355.jpgちょっと毛色の違う文庫本。「人生に生きる意味など無い。懸命に生きてもいずれ死んでしまうのだから。」という、本質的にしてそれを言っちゃぁな本。著者は哲学者中島義道先生・・・あまり良く知らなかったが、厭世家であり人嫌いであるらしい。私の本を読んで私を誉める奴が私は大嫌いだと言い切り、大学に奉職しているにもかかわらず、教育に対しても絶望感をお持ちのよう。水谷修先生が登場してくるが、釈迦と閻魔くらいギャップがあるな。人嫌いと書きながら、水谷師には一目置いてる。

「自分はいつか死んでしまうんだ」と恐怖に怯え泣き暮らした幼い頃を経て、「死ぬことが怖いのではない、あの時は死んでいたんだと後で振り返ることができないのが怖い。」に至る。文体はユーモアも溢れ、妻とのやり取りの段など哲学者土屋賢二師とかぶるところもあるなとも思ったが、小沢と麻生くらいギャップがある・・・なんのこっちゃ自分でもわからん。哲学って大変なのだ。
by cegero116 | 2009-02-26 12:09 | 本の虫 | Comments(0)