<   2010年 10月 ( 50 )   > この月の画像一覧

e0001663_154174.jpg

多分ラストの立ち寄り地。卯辰の上がる町としてその名も高い徳島県脇町へ。その名は今日初めて知ったのではあるが。

知らない方の為に解説すると、隣家との延焼防止の為に外壁から道に向けて六尺程の防火壁を突き出したものを「卯辰」と言う。現代の建築基準法にもこれを受け継いだ大規模木造建築物の防火壁規程があり、その有効性は確かなもの。私も今日まで知らなかった^^。

通りの両側の民家・店舗ををコツコツ改修、保存修景して伝統的町並みを復活させている途上とか。予算はこう使うのだよ、かずら橋クン!
e0001663_11462768.jpg

ツアー最終日。今回のメインイベント、祖谷のかずら橋を目指す。平家の落武者がこの地に追っ手を逃れた際、いつでも切断できるようかずらの蔓で作った、日本一怖い吊り橋、との評判はかねてより聞いており、高所恐怖症気味のワタクシ着く前からドキドキ。

道路に並び立つかずら橋の案内標識からすでに嫌な予感はしていた。巨大な人工地盤の上に設けられた課金ゲート付き駐車場。スティールとガラスのモダンなトイレにかずら橋会館(?)…流れる歌は「かずら橋るり子」さんの演歌。

「かずら橋は一方通行となっております。入口料金所へおまわりください。」のアナウンスを聞きながら、おそるおそると渡り切る。確かに怖い…が、どう転んでも絶対落ちはしないな。かずらは単なる仕上げ化粧材であって、主要構造部は全て頑丈なワイヤで支えられてる。安全上のことゆえ、これはやむを得ない。

幹事曰く「10年前に来たときはこんなではなかった!」とのこと。市町村合併で濡れ手で粟の補助金をせしめ、東京のコンサルタントに活性化計画を丸投げ、ファンドなんかも一口噛んで大手設計に建築デザインを委ねる…橋一本にみんながぶらさがって、その橋を由来ごとダメにしてる…エラそーでごめんね。

秘境が卑怯へ変質しとるぞーと、渓谷が警告を発しておった。
e0001663_1002047.jpg

今回のツアー、景勝地巡りもそこそこにあまりばたばた焦ることのないのが宜しい。「ぜよ」でのんびりヒルメシのあとは一路主目的地の祖谷温泉へ。日本三大秘境だそうだ。

宿の玄関に吊り下がる「日本秘湯を守る会」の提灯にふさわしく、深山幽谷・ケーブルカーで5分も降りて辿り着く露天風呂。秘境感満点、源泉温39度の掛け流しにのんびり浸かる…ちょっと寒い。お約束の入浴集合写真はまたのちほど。

露天の秘境感に比べ、館内は全館リニューアル済み…見慣れたビニールクロスにメラミン化粧板、縁なし半畳にお洒落ブラケット。デザイナーによる風情の抹殺…以て銘すべしであるな。
e0001663_1634204.jpg

ヒルメシ…呑み喰いは本旅行の重要Matter。赤岡街内にはおよそ飲食店らしき姿が無い。ので、絵金蔵のスタッフの方に尋ねたところ、わざわざ店の前まで案内して下さった。

のぼり旗が一枚立ってる以外、まったく普通の民家。案内されなきゃとても見つけられぬ。行き当たりばったりの効用。

お店に入ると
「これからご飯炊くけど、待てますかー?」とな。
「いいよ、ビール飲んで待ってるよ。」
「悪いですねぇ、アルコールないんです。」
「ガックリ」
「その先に酒屋さんがあるから買って来られたらどうですか?」
「え?ええの!♪」

ソッコー、缶ビールを買いに走る。店名は「なめたらあかんぜよ」の『ぜよ』だそうだが、おおらかで親切な土地柄だぜよ。
e0001663_15282013.jpg

高知より海沿いに走ること30分、赤岡なるちいさな街の美術館、絵金蔵へ。

江戸天保年間のお城お抱えの狩野派天才絵師が、失脚・失踪ののちこの赤岡に住み着き、芝居や相撲を題材に血沫き飛び散るおどろおどろしいホラー屏風絵や、バレ噺的笑い絵を産み出して大人気を博したらしい。

真っ暗な展示室を提灯を持って鑑賞して回る演出。公職追放で性格が捻じ曲がったのかもしれないが、精神が開放されて真に自由な作風を追求することができたのかな、とも。

お土産には不向きなり。
   ↓

こんなの
e0001663_13544455.jpg

桂浜等、定番観光地に背を向け牧野富太郎植物園へ。展示館は内藤廣氏作のなんとか建築賞受賞作。

中庭の雑木林、パクれる要素たくさん。なんぞのプレゼン用イメージ写真になるな。建築も清楚で美しくてほぉほぉようできとる…と、沢田マンション見たあとでは只のその他大勢。さくさくとスルーする。
e0001663_11404451.jpg

このツアーでなければ決して立ち寄らないであろう観光地(?)沢田マンションを見学する。40年前に夫婦二人でどこまでできるかと一念発起、手作りで増殖を繰り返してこの姿に…。

手作りの施工に感心はするが、それはそれだけのこと。建築設計者として、構造上の疑義、防災上の不安を含めた法令適合など…あらゆることは木っ端微塵に吹っ飛ぶがごとき戦慄が走る。これで大丈夫なんだ…みんな楽しそうに住んでる…こんなスケッチ、描こうとしても描けんぞな。

言葉でも写真でもこの戦慄は伝わるまい…えらい体験であった。
e0001663_9483645.jpg

高知宴会第一弾は海鮮居酒屋龍馬屋。豪快なカツオのタタキならぬ「あぶり」…のりピーの好物、ではない。

この店名物のダンディーな…崩れた風間杜夫か桂ざこば風の大将が現れ、大いに盛り上げてくれる。自ら作詞作曲、紅白を目指すという「ああ龍馬空港」を大合唱。初日からハイピッチなこと!
e0001663_17212334.jpg

JALを他山の石としたか、新聞なし雑誌なしドリンクサービスなしのANAで高知龍馬空港へ到着。自主仕分けが行き届いている。

空港の経営も大変なのであろう、機内誌の地図にはネーミングライツ華やかな空港名がずらり。阿蘇くまもと空港、富士山静岡空港は地名の延長でなるほどだが、
・高知龍馬空港
・はくちょう釧路空港
・米子鬼太郎空港
となると名所・名物を冠して観光振興を図ろうとの気合いが感じられる。

・対馬やまねこ空港
は、動物名そのまんまで解りやすいが…意図曖昧。

・広島仁義なき空港
に至っては…そんなやつ居らんやろ^^。
e0001663_1451320.jpg

今話題の羽田空港国際線。京急電車の中から撮影。モノレールで海外へ、とCMが流れてたが、なんの京急もホーム真ん前に出発口があるのだね。

と、国際線には用事はなく次の駅へ。「羽田空港国内線ターミナル」に駅名が変わっておる。